地球上で、最も多く人間の命を奪っている生き物をご存じでしょうか?
それは人間でもなく毒ヘビでもなくワニでもありません。圧倒的に多くの命を奪っている生き物は「蚊」です。
蚊は、マラリアやデング熱に代表される伝染病の媒介となり、統計があるだけでも年間70万人以上が蚊により命を奪われているとも言われています。
今回はブラジルでその「蚊」と闘う容器づくりに取り組むユーザーの事例を紹介します。
蚊取りキットは、殺虫成分を炭素棒に吸着させ、約60℃のリングヒーターで熱し殺虫剤を蒸散させることで蚊を忌避・殺虫します。
従来品は現地で製作された金型でしたが、 製品の偏肉によって使用時の熱変形等のトラブルが発生していました。今回はエンドユーザーが品質向上を求め、自ら新規金型をAOKIに発注、容器製造は現地ブローモールダーに委託生産するプロジェクトとしてスタートしました。
1.生産の担保 : 委託生産は、ブラジル国内のブローモールダーで最も多く使われている機種で行いたい
2.生産量の増大に対応 : 年間約10,800,000本から14,400,000本
3.品質重視 : 熱変形のない偏肉が少ない製品
機種はブラジル国内に最も多く出荷されているAL-250LL-50Sを選定しました。生産量は季節性があり、 不足を回避するためエンドユーザーとしては2社購買で進める方向でいたところ、 当社が開発を進めてきた“同じ容器でも速い”の技術を採用することで、 成形サイクル短縮により十分な生産量が見込めることを提案。 テスト型により成形サイクルと品質検証を実施することとなりました。
結果、 当社の高速離型成形法を用いたことでおよそ5秒も速くなり、 顧客が求める品質アップと併せて生産量アップも実現。 十分な生産量が見込めるため2社購買の必要もなくなり、 最終的なボトルコストも下げることができました。